2話 リアルシアター

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美女の救出劇が始まった。 禿げ上がっているが、頼りになる相棒と一緒に、悪と格闘だ。そして美女は、主人公に抱えられて出口へと走った。 すると、誰かが僕の腕を掴んだ。横を向くと、なんと黒髪の美女が座って僕を見つめていた。 「えー?あなた誰?でも可愛い」彼女は何も喋らない。これもリアル型のなせる技なのか? この映画で、一番興奮した。 そしてクライマックスだ。 悪を倒して、美女と向き合う主人公。 行け!そこだ!キスをするんだ! 僕はそう願った。そして二人は駆け寄って行く。 ありがとう。 ハリウッドよありがとう! 僕は手の温もりを感じた。 すると主人公は、美女をすり抜けて、相棒と抱き合ったではないか! はっ?どういう事? 隣を見ると、禿げ上がったおっさんが座っていた。 僕は、開いた口が塞がらなかった。 スクリーンで主人公が言った。 ( いつも俺を支えてくれて、ありがとう。愛しているんだ ) 相棒も応えた。( 俺もだよ ) そして二人は、なんと口づけを交わした。 何なんだ?この結末は? すると隣のおっさんが、ぼくの頭を鷲掴みにして言った。「ラブ」 「や、やめろ!何でラブだけ英語何だ?あんた、どう見ても日本人だろが!」 僕は、暴れたがビクともしない。 おっさんの息がリアル過ぎる。 もしかして、オールマイティーってこの事か? 「やめろ!頼む、頼むから美女を呼んでくれー!」 館内に、僕の悲鳴が響き渡った。 終わり
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