4話 口裂け女

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部屋に入ると、なんと先程の女性が立っていた。 「うわっ!」もうびっくりした。 「暗がりだったから、分かりにくかったのね。他にあるかしら?」とさっきの続きを聞いてきた。 マスクを外すと、やっぱりブスだった。 「はい、あのう、お肌がお綺麗です」と僕は顔を見ずに応えた。 「どんな風に?」と女性が聞いた。 「えーと、ツルツルっす」と適当に応えた。 「触ってないのに分かるの?」と展開が変わってきた。えー!そう来る? 仕方なく、頬を少しだけ触った。 でも、本当に肌はツルツルだった。 「触ったわね」と女性が睨んできた。 「えー!だって触って欲しい感じで、聞いてきたもんで…」とあたふたしていると 「喉が渇いたわ」と女性は急にソファに座った。 僕は慌てて、缶ビールを二つ用意した。 そして、二人向かい合いながら飲んでいると「つまみは無いの?」と催促して来た。 僕はチーズとアタリ目を差し出した。 そしてビールがなくなり、焼酎で乾杯していると 「ブスならブスって正直に言やあいいんだよ!なのにさ、ヒック!何なのよ!」と女性は荒れていた。 「もう、おっしゃる通りです」僕はお酌をしながら、女性の愚痴を聞いていた。 「あんた正直に言いなよ!わたし綺麗なの?」そう言って来たので、正直に「ブスです」と応えた。 「何を素直に言ってんのよ!それが女性に言う言葉?」とパンチを食らった。 えー?あんたが言ったんだろが! 「もう帰って下さいよ」僕は頼み込んだ。 「嫌よ!あんたが正直に言うまで帰んない」と駄々をこねている。 「さあ、わたし綺麗?」と最初の話に戻った。 「ブスです」またパンチが飛んで来た。 「いや、お綺麗ですよ」と言うと女性は「どこが?」とまた元に戻った。 もう勘弁して下さいよ! しつこいよ、この口裂け女は! いや、裂けてないか。 終わり
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