無理して言わせたいわけじゃないけど、彼が一生懸命俺に伝えようとしてくれてるのが分かる。
だから俺もちゃんと聞くんだ。
「俺ね、中学の時ちょっと、その、ね」
「うん」
「あの、ちょっとヤンチャしてて…」
「うん」
「ピアスとか、その時に開けてて、」
「そうなんだ」
「で、その…け、ケンカとかもちょっと…」
「元ヤン?」
「え、あの…う、………はい」
「へー」
そうなんだ。だからケンカ強かったんだな。納得納得。
ちょっとすっきり。
「え、引かないの?」
「え、何で引くの?」
「だってその…ほら、バレたら怖がらせるんじゃないかとか俺、色々考えて…」
「藤倉はさ、俺を殴るの?」
「っ?!殴るわけないよ?!殴れるわけない!!」
「ははっ。知ってる」
「へっ」
「昔のお前は知んないけどさ、今のお前は絶対人を傷つけるようなことしないだろ。そんな優しい奴、何で怖がんなきゃいけないの」
寧ろ変態行為のがたまに怖いわ、なんて笑い飛ばしてふと隣を見ると、藤倉の姿がない。振り返ってみると、何やら道端に蹲っていた。
「愛しすぎてどうにかなりそう…」
何かもごもご呟いているが何を言ってるのかよく分からない。もう何回見たっけなこの光景…。
「藤倉ー?大丈夫か?」
「…澤くんはさぁ、俺の心臓を止めたいの?効果は抜群だよ…」
「いや別に止めたくはないけど?ってか死なれたら困るよ」
「もう!供給は十分だからこの辺で勘弁して!」
ん?供給…?いまいち何言ってんのか分からないがとりあえず大丈夫そうだ。すくっと立ち上がった彼は長い足ですたすたと歩き出してしまった。俺との身長差的に、小走りしないと追い付けない。
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