気長な僕の夢

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あなたは、捨て猫を拾ったことが ありますか?   【猫の恩返し】 ある雨の日 「ニャー」  一匹の猫を拾った その猫は、すごく澄んだ 瞳の持ち主だった 「狭いけど許してな」 本当に狭い 畳の部屋と玄関と台所 あわせても七畳ほど しかし、猫は飛び跳ねて 喜んでいた… よっぽど苦しかったのか… それから三年 この日も雨だった  雨は、出会いと別れをくれると 友人から聞いた 本当だな… 一時間前 猫を連れて動物病院に行った これは、帰りの話だ 「なぁ昼飯?」 私は、猫に昼飯と名をつけた ネーミングセンスなんて あるわけない私は 適当に昼飯とよんでいた 「オレ出世するんだ」 満面の笑みに昼飯は 目を輝かせていた しかし 『ぱぁあーー』 クラクションの音は、こちらに 物凄いスピードで近づいて来る 「昼飯逃げるぞ」 遅かった… 目を思いっきり閉じた 『フシュー』 車は、電柱にぶつかった 間一髪…? 「昼飯?」 私は、横の電柱に目をやる そこには、白いベールのようなのに 包まれた昼飯がいた いや…昼飯の母がいた   いまでも昼飯を拾ったコトを 後悔していない 大切な家族だから…
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