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「デカゴリラ」とでも呼びたくなるような巨漢が雛太を睨みつけていた。
巨漢といっても身長は一七〇たらずの少年だ。
けれど力士のような恰幅と、幼い顔に見合わぬ威圧感が毛虫のような太眉から横溢している。
そして、この手のキャラクターの御多分に漏れず、背後には下僕らしい子供が二名、ランドセルを背負って追従していた。
――ん、ランドセル?
雛太は再度デカゴリラを見て驚いた。
デカゴリラ自身が背負っているのも年季の入ったランドセルではないか。
――ってことは……この子も、まさか小学生!?
「お前、今、こいつこんな図体のくせ小学生なのかよって思ったろ?」
「えええ、い、いや、そんな、思っていませんよ……」
「思ってるじゃねえか!」
つい声が小さくなってしまったのがまずかったのだろう。
激昂した巨漢小学生に突如、肩をどつかれて、その勢いで雛太の眼鏡と人形が吹っ飛んだ。
「あああ――っ!」
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