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陶磁器製の西洋風少女人形がアスファルトの地面に向かって落下していく。
刹那、雛太の脳裏には超高速で画面を横切るスタッフロールのように様々な想いが過ぎ去っていく。
これまでもずっとそうだった。
小柄で華奢で臆病であるがゆえ野蛮な男子生徒たちからはおもちゃのように扱われ、女子生徒たちにさえ小動物扱いされてきた。
まるで同等な存在としてみなされない。
そんな扱いに嫌気がさしたから中学までの知り合いが少ない名門私立高校へ進学した上、ごつい黒縁の伊達眼鏡までかけたというのに――いっつも、そう。
いっつも僕は、こうなんだ。
どうして僕ばっかりいつもこんな目に!
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