シーと少女

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すると、シーの前に1人の小学校高学年ぐらいの女の子がしゃがんでいました。 薄いベージュのストローハットをかぶり、紫色っぽいチェック柄のワンピースを着ていました。 髪はブラウンで背中まであり、ちらっと覗いた顔はハーフのような感じでした。 一瞬立ち止まって彼女の様子を見ていると、シーに何か話しかけながら頭を撫でていました。 どんな話しをしているのかは聞こえませんでしたが、私が近づくと驚いたように顔を上げました。 やはりハーフのような綺麗な顔をした女の子でした。 私はなぜだかハッとしました。 その子がとても美しかったからかもしれませんし、前に1度どこかで会ったことがあるような気がしたからかもしれません。 シーは、女の子に頭を撫でてもらえたので、嬉しそうに彼女を見上げながらさかんにしっぽを振っていました。 せっかくシーを可愛がってくれたので、私は微笑みながらレジ袋をシーの脇に置いて、同じようにしゃがみました。 シーズーという種類の犬だよ 知ってる? 知らないです お母さんは? 車の中で寝てます 身体を斜めにして、車の方へ指差しました。 確かにセブンイレブンの広い駐車場の奥に、白いワゴン車が停まっていました。
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