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「ありがとう。部活終わりで疲れてるのに。」
家の前でお礼を言うと
「これくらい大したことないって。それに少しでも岸岡と長くいれるし…」
うわぁ……
ほんと、私、こういう甘いのに耐性なくてどうしたらいいのか……
って私がテンパってるのに斎賀くんはあっさりと
「じゃ、お疲れ。また明日な。」
あっさりと手を離して行こうとする。
「う、うん。また…明日ね。」
まだ一緒にいたいなぁって咄嗟に浮かんだ恐ろしく厚かましい思考回路を即座に脳内にて爆破する。
するとーーー
「あっ、そうそう忘れ物した。」
またくるりと向きを変えたかと思うと、私の前髪を掻き分ける。
またおでこにキスされるってギュッと目を瞑ったら…
唇に柔らかな感触があった。
少し長めに押し当てられたけどやがてゆっくり離れると
「またギョエッなんて言われたら今度は笑い死ぬかもしれないから口塞いだ。」
いたずらっ子な顔して笑うと今度こそ斎賀くんは一度も振り向かず帰っていった。
その耳が苺よりも真っ赤だった事はいつか話そう。
赤くて甘い苺にホイップクリームたっぷり挟まったイチゴサンドを一緒に食べながら。
【イチゴサンド、好き?嫌い?】
終
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