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期間限定のイチゴサンドが食べたくて四時間目の終了とともに毎日、学校内にある購買部にやって来るものの、これが中々の競争率で地味子の私が大勢の人をかき分けゲットするなんて至難の業。
ところが限定発売最終日、今日も手に入らないかと諦めモードでピークの収まった購買部にやってきたらなんと、一個残ってる。
高校三年間、ずっと地味に真面目に学生生活を送ってきた私へのご褒美かと輝いて見えるイチゴサンドラスイチに手を伸ばしたと同時にもう一つ手が。
「あっ…」
「げっ…」
慌てて手を引き、相手の顔もロクに見ずに「どうぞ」って譲った。
ずっと食べたかったイチゴサンド。
だけど一度も食べることなく卒業か…ってもう半分以上諦めてたし。
それに地味な私がここでムキになってイチゴサンドゲットするなんてあり得ないよ。
だから良いんだ。気持ちよく譲ろう。
うん、別に隣にいくつも残ってるあんパンとか全然嫌いじゃないし……
嫌いじゃないけど……
アンコ苦手なんだよねぇ……
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