3/33
前へ
/168ページ
次へ
「そうね。明日が日曜日で本当によかったわ」 「瑠璃も手伝うー!」 「ははっ、心強いな」 昼食を終えて少し休むと、荷物の片付けが始まった。 「瑠璃はお母さんと食器片付けましょうか」 「はーい」 母が食器を何枚かまとめて瑠璃に渡して指示をし、瑠璃は指示通り綺麗に食器を並べた。食器の片付けは小一時間程で終わり、ふたりは少し休憩してから服を片付け始めた。 6時過ぎになってようやく片付けやめ、と父に言われた。 「ふたりともお疲れ。今日はお風呂を沸かしてから、近くのファミレスに食べに行こうか」 「やったー! 瑠璃、オムライスがいい!」 「じゃあ沸かしてくる」 瑠璃ははしゃぎ、母もどこか嬉しそうに風呂を沸かしに行った。 母が風呂沸かしから戻ると、3人は車に乗ってナビを頼りにファミレスを目指した。 「あら、思ったよりも近くにスーパーがあるのね、助かるわ」 家を出て最初の十字路で信号待ちをしていると、母は窓の外を見て言う。 「しかも深夜までやってるな、これはいいや」 父もチラリとスーパーを見て言う。 「ね、帰りに寄ってくれない?明日からのご飯の材料買わなくちゃ」 「わかった、帰りな」 父は返事をすると信号が青に変わり、車を走らせた。 ファミレスに着くと、瑠璃はいの一番に車から降りた。 「はやくはやく、オムライス!」 「はいはい、今行くよ」 父は苦笑しながらも車から降り、瑠璃の手を引いて歩く。 案内された席に座り注文を終えると、父は煙草を取り出し火をつける。彼がふぅっと煙を吐くとうっすら薄荷(はっか)の匂いがした。 「瑠璃は明後日から学校ね、素敵なお友達が出来るといいわね」 「うん、楽しみ」 「いい友達が出来て家に呼べるよう、明日は片付け頑張らないとな」 「瑠璃頑張るー!」 元気よく言う瑠璃を、両親は微笑ましく思いながら見る。
/168ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加