第六十九話 精霊シルフの力

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 「ならば何故!」  私はセイリュウが言う前に言った。  「人族にも悪くない奴がいるからだ。だから関係ない人を殺すのを見過ごすわけにはいかない」  「ならばお前は悪い奴は殺すのか?」  セイリュウは落ち着いて今度は試すような目線を向けてきた。  「私は復讐はもうしないと決めたよ。私の好きな人がそれを望んでない筈だからな」  するとセイリュウは微笑み、  「はっはは。敵ながら凄い奴だ」  そう言って、セイリュウは気を失った。  私はすぐにレイの元に向かわなければならない。  「その体じゃ無理よ。私の加護は風魔法を使う時、魔力を思いっきり奪われるんだから」  シルフが私を止めようとする。  確かに、精霊の加護にも弱点がある事は分かった。消費が激しすぎる。  今にも倒れてしまいそうだ。  そう思った時、身体が倒れそうになると、誰かに支えられた。  「大丈夫ですか!?」  獣人の子が私を支えてくれた。  だが私にそんなに答える気力はない。  「.......頼みがある。闘技場まで......」  私は言い終える前に気絶してしまうのだった。  龍人との戦闘がこれから最終局面に向かうのだった。
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