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「ならば何故!」
私はセイリュウが言う前に言った。
「人族にも悪くない奴がいるからだ。だから関係ない人を殺すのを見過ごすわけにはいかない」
「ならばお前は悪い奴は殺すのか?」
セイリュウは落ち着いて今度は試すような目線を向けてきた。
「私は復讐はもうしないと決めたよ。私の好きな人がそれを望んでない筈だからな」
するとセイリュウは微笑み、
「はっはは。敵ながら凄い奴だ」
そう言って、セイリュウは気を失った。
私はすぐにレイの元に向かわなければならない。
「その体じゃ無理よ。私の加護は風魔法を使う時、魔力を思いっきり奪われるんだから」
シルフが私を止めようとする。
確かに、精霊の加護にも弱点がある事は分かった。消費が激しすぎる。
今にも倒れてしまいそうだ。
そう思った時、身体が倒れそうになると、誰かに支えられた。
「大丈夫ですか!?」
獣人の子が私を支えてくれた。
だが私にそんなに答える気力はない。
「.......頼みがある。闘技場まで......」
私は言い終える前に気絶してしまうのだった。
龍人との戦闘がこれから最終局面に向かうのだった。
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