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俺は更にスピードを上げ天龍を斬る。
だが、それは腕をかすっただけだった。
「先程までのは本気じゃなかったのか?」
「いや。自分でもおかしなぐらい調子が良くなってきている」
どうしたのだろうか。体が思うように動きすぎる。
「それはあなたが今まで殺してはいけない人達と戦っていたからよ」
そんな声が聞こえた。俺はそれに納得してしまった。俺は何処かで殺してはいけない人達との戦いで無意識に手を抜いていたかもしれない。
まあ。本気を出しても師匠には勝てないだろうが。
「これから更にスピードを上げるぞ」
俺は更にスピードを上げ、どんどん天龍に傷をつけていく。
「調子に乗るな!」
天龍は俺が斬った瞬間を狙い腕を掴んできた。
やばい。
俺はそう思ったがどうする事も出来ずに、振り回され壁に吹っ飛ばされた。
「くっ!」
俺は何とか自分の後ろに風魔法を放ち、叩きつけられずに済んだ。
だが、こいつの馬鹿力は何なんだ。持たれた腕は青くなっている。次にあれに捕まれたら終わりだ。
それにこの雷纏いは欠点がもう一個ある。それはスピードが上がる代わりにパワーが落ちる。
パワーが落ちる為、あいつの攻撃を跳ね返す事は出来ないだろう。
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