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第七十二話 面会
俺は目が覚めると何処かの部屋にいた。
だがここは俺が泊まっていた部屋ではない。何処だ?
俺が体を起こすと、椅子にリリアとセシリアが座って話していた。だが俺が起きたことに気付いてこちらに来た。
「もう体は大丈夫?」
「ああ。大丈夫。少し無理しただけだから」
「ほんとのほんとに大丈夫なの?」
今回のリリアはどうしたのだろうか。
「大丈夫だって」
俺がそう答えると、リリアはそうと答え、手をぽきぽき鳴らす。
......何だろうか。俺は今すぐここを出て行った方がいい気がする。
「それであの獣人の美人の人とはどういう関係なのかしら?」
俺はそこで気付いてしまった。フードを被った人はリリア達だ。あの悪寒はマリー達じゃない。リリアとセシリアだったんだ。これはいけない。会場で叫んだのはリリアだろう。
多分俺が獣人と仲良くしすぎている所を見て、キレたのだろうか。
これでは俺は天龍じゃなくてリリアに殺されてしまう。俺はセシリアさんを見る。
「私はあの獣人に助けられたから、今回はチャラだ」
そう言って、セシリアさんは部屋を出た。まるで私は知らないとばかりに。
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