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まず、リリアとセシリアは修行の後、自分達の実力を試す為この闘技場に参加したらしい。フードは変身魔法を使える人がいなかったから、セシリアがエルフとばれない為に着けた。だがリリアはつける必要はなかったが、俺を見つけここで戦えると思い、本気で戦ってもらう為フードを被ったそうだ。
地龍達の勝負は想像を絶するものだった。リリアがお爺さんであるアスロさんの声を聴いて力を貰い死者を扱えるようになったのは血が繋がっているから分かるのは分かるが、それでも凄い。
もっと凄いのがセシリアだ。セシリアは精霊の加護を付けて勝利したと言っていた。
「その精霊は?」
「紹介してくれないか?」
そう言うと、精霊だろう小人が現れた。
「初めまして女たらしさん。私は風の精霊シルフよ」
何故か初めから嫌われているようだ。俺の方を軽蔑した目で見てくる。だが俺には何の言い訳も出来ないから困ったものだ。
「おい。その言い方はやめろと言っているだろう」
セシリアさんは注意するが、シルフはそっぽを向いた。
だが、すぐに俺の方を振り向いた。
「......あなた、いや何でもないわ」
「どうしたんだ?」
そんな感じで言われると、もの凄く気になるんだが。
「何でもないわ」
そう言って消えた。
「一体何だったんだ?」
俺は何があったのかさっぱり分からなかった。それは二人も同じようだ。
「そういえばタマは?」
この場にタマがいないことに今更気付いた。
「タマなら私の母と買い物に行ってるぞ」
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