第七十二話 面会

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 .......今とんでもない事を言ったような。  「......今母と言いましたかセシリア?」  だがセシリアは俺の質問に答えないで顔を赤くしている。  「何で顔を赤くするんだ?」  「......いや。まさかセシリアと呼んでもらえるとは思っていなかったんでな」  そう言って、顔を逸らした。  そういえば呼んだな。俺はあの時セシリアが普通に接して欲しいと言われた日からずっとセシリアと心で呼ぶようにしようと決めていたのですっかり忘れていた。  これじゃらちがあかないので、リリアに聞いた。  「本当にセシリアのお母さんが来てるのか?」  「ええ。その人が私の師匠でもあるの!」  そう嬉しそうに言うが、これはとんでもない事になった。両親に挨拶をしないといけないのではないか?  セシリアの親に何て言うんだ?他にも女がいますが娘さんをくださいって言うのか?そんな事を俺が親なら絶対にぶん殴る気がする。  俺が何て言うか考えているとドアが開く音がした。  「帰ってきたみたいよ」  いや。早いから。何で俺が考えている時に来るんだよ。  タマが空を飛びながら来た。  「ご主人様。ようやく起きたニャ」  「ああ。もう元気だが、セシリアのお母さんはいるのか?」     
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