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「レラティブ・ストッピング・パワーというのは、弾丸が目標に当たった際の衝撃の大きさを表すものですが、22口径のこのオートマチック銃で使用される22LR弾は、狩猟用のライフルなどにもよく使われる弾丸ですが、弾の威力からして、距離がありすぎると衝撃が大きいとは言えず、相手を死に至らしめることが出来ない場合もあります。あくまで至近距離用の銃なんでね、それに…」 「なんですか?」 「これは威嚇用のデモに使われることもよくある銃で、あなたも、その、デモンストレーションとして威嚇するだけで良かったのでは?」 「すいません、頭に血が上ってしまって。撃った瞬間のことをよく覚えていないんです」 彼女はそう言うと、氷のように冷たく、美しい横顔に憂いを浮かべて、俺が作って出したヘンドリックスのマティーニを飲んでから、目を閉じ、豊満な胸を揺らして深呼吸した。 「倒れた旦那さんの生死はまだ確認してないんですよね?」 「確認も何も。夫は玄関からいつの間にか消えてしまったのです」 「ええ?」 「私が逆上して、気が動転している間に、ふと見ると、さっきまで倒れていたはずの夫が消えていたのです」 「それではやはり、旦那さんはまだ死んでおらず、外へ逃げ出したんじゃないんですか?」 「でも…入り口のドアが開く音や、ドアが開くと必ず鳴る鐘の音が全く聞こえなかったんです」 「それなら邸内のどこかにいらっしゃるのでは?あなたに撃たれたことは事実なのだから、警戒して邸内のどこかに隠れたのかもしれませんよ」 「はあ…」     
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