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俺はさっさと証拠写真と調査書を揃えて、美人妻にそいつを渡し、相場の3倍の調査費の契約はご破算にして、日割り計算の料金と実際にかかった必要経費だけで十分だと告げた。 だが彼女は、すでに相場の3倍の料金は俺に振り込み済みだと言い、渡した写真と調書をしばらく見つめていたが、その後、丁重に礼を言って帰って行った。 その時、彼女からは何の感情も読み取れなかったが、まさかそれから1ヶ月経って、旦那を撃ち殺そうとするなどという物騒なことを仕出かすとは思ってもみなかった。 その上、撃ったはずの旦那が消えてしまい、その後始末がまた俺のところに持ち込まれるとは。 これじゃあ、俺が旦那を撃ち殺せと示唆した 黒幕で、その失敗の後始末を実行犯から頼まれてるみたいじゃないか。
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