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「気がついたら、玄関に夫の姿はありませんでした。倒れているわけでもなく、跡形もなく消えていたのです」
「ふーむ。それじゃあ旦那さんがこの広い邸で、あなたを鬼にして隠れんぼをしてないかどうか調べさせて頂きますが、よろしいんですね?」
「は、はい。お願いします」
俺は邸の中に入り込み、まずは1階の各部屋を見て回ることにした。
小洒落た広いリビングルーム、レストランの厨房のような料理人付きのキッチンルーム、応接室のようなトイレ、広々とした物置、贅を尽くしたゴージャス極まる応接室、プールバーのようなビリアード・ルーム、などなど、一階の豪華な部屋の数々の戸棚から何からを、空き巣か泥棒のように探したが、旦那の姿は見つからなかった。
まるで「大会社社長宅・お宅訪問」のレポーターでもやってる気分にもなるが、当然そんな仕事のギャラは出ない。
二階に上がり、広々とした贅沢極まるスイートルームのような寝室、本格的なプロ仕様のバーカウンターが奥に設置された、広くてムーディーなリビングルーム、またまたやたらに豪勢なトイレ、広いがまだ物が置かれていない無機質な物置、洗練されたゴージャスさのホームシアタールーム、使われていない、こちらもスイートルームのような来客用の豪勢な寝室、などなども見て回り、どの部屋も隅から隅まで空き巣のように探索したが、旦那の影も形もなかった。
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