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「素晴らしいお志だと思います。敬服します」 「今でも身寄りのない子供、親のいない子供はたくさんいますからね。そういう子供たちにとっては、あの施設はとても大事なんです。だからずっと存続してもらうためにも寄付させてもらうつもりです」 「確かにあの施設は大切な場所だと思いますよ」 「ええ」 「でも、あそこには喜多川も子供の頃入っていたんですね?」 「え?ええ…」 静華は返事をしたが、急に声が小さくなった。 「メキシコ人の女の先生が話してくれましたよ」 「ああ、マリア先生ですか?」 「はい。あなたが居た頃から今日に至るまで、ずっとあの施設で子供たちの世話をしてらっしゃる方ですね」 「マリア先生には本当にお世話になりました」
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