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彼女は消音装置の付いたコルト・ウッズマンを俺の方に差し出した。 口径は22口径。 「こいつで旦那さんを?」 「ええ、き、気が動転してしまって…」 「この間の調査結果が重々影響しているということですか?」 「いえ、あなたには関係ありません。私が勝手に逆上したまでのことで…」 「その関係ないはずの雇われ探偵の、こんな辺鄙な廃屋の住処まで、あなたがまたノコノコやってきたのは、私に関係が大いにあると主張しているのと同じことですよ」 「そ、そんなつもりは…」 消音装置付きの22口径コルト・ウッズマンは、至近距離にいる相手の、後頭部か心臓を狙って撃つ時に使う銃だ。 プロの殺し屋用の銃とも言われる。 そんな代物を素人の女性がよく持っていたなとも思うが、22口径の銃は大型拳銃と較べて携帯しやすい上に、反動がかなり少ないから、女性に向いているとも言える。 彼女はどうやらそれを、旦那に向けて撃ったようだ。 だが、玄関に立っている相手を、広い邸宅のかなり奥から撃ったらしく、旦那を死に至らしめたかどうかはわからない。     
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