2.歪んだ影

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  「後から来るんです」 「そう。ワイン出そうか?」 「どうしようかな……」 「どうせ蓮ちゃん来るんならいいじゃない? 何から焼く? たれ皮?」 「えと、それは後で。先にレバーとハツください」 「あいよ。二本ずつでいいのかな?」 「はい。ワイン、やっぱり少しもらいます」  冷えたワインをグラスに注いでもらった。前よりも酒に少し強くなっている。飲みながら食べながら蓮を待った。 「おばちゃん、来たよ!」 「いらっしゃい! 来てるわよ、ジェイちゃん」 「車だから今日は飲めないんだ。レバーとハツ」  おばちゃんはクスッと笑った。 「なに?」 「ジェイちゃんもそれだったから。最初の注文」  にやっと笑うとジェイを見つけてテーブルに行った。 「どうして相田はお前と電車に乗ったんだ?」 「違うよ、たまたま同じ電車だっただけだよ」 「そうか……何か変わったこと、あったか?」 「ううん、特に。なんだかすごく親切なだけ。でも……ちょっとイヤだったけど」 「イヤ?」 「なんとなく」 「そうか。何かあれば言え。お前がイヤなら電車の時間をずらすとか、何か考えよう」   
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