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「後から来るんです」
「そう。ワイン出そうか?」
「どうしようかな……」
「どうせ蓮ちゃん来るんならいいじゃない? 何から焼く? たれ皮?」
「えと、それは後で。先にレバーとハツください」
「あいよ。二本ずつでいいのかな?」
「はい。ワイン、やっぱり少しもらいます」
冷えたワインをグラスに注いでもらった。前よりも酒に少し強くなっている。飲みながら食べながら蓮を待った。
「おばちゃん、来たよ!」
「いらっしゃい! 来てるわよ、ジェイちゃん」
「車だから今日は飲めないんだ。レバーとハツ」
おばちゃんはクスッと笑った。
「なに?」
「ジェイちゃんもそれだったから。最初の注文」
にやっと笑うとジェイを見つけてテーブルに行った。
「どうして相田はお前と電車に乗ったんだ?」
「違うよ、たまたま同じ電車だっただけだよ」
「そうか……何か変わったこと、あったか?」
「ううん、特に。なんだかすごく親切なだけ。でも……ちょっとイヤだったけど」
「イヤ?」
「なんとなく」
「そうか。何かあれば言え。お前がイヤなら電車の時間をずらすとか、何か考えよう」
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