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「な・・・・なんやの!?なんなん!?」
もがいてもがいて、ガバッと上体を起こしながらツッコむ。
「うわあああああ!?」
それに悲鳴で返された。
「え!?」
(な、なに!?だれや!?)
顔を上げれば、視界を花弁が舞う。
目の前には、人が立っとった。
三国志に出てくるような中華風の服を着とる。
まぁまぁ派手やけど、問題なのは服装やない。
「か、顔が!?」
(そっくりやん!?)
そいつの顔が、うちとおんなじだったんよ。
そっくりやなんてものやない。
瓜二つの双子かと思うぐらい似てた。
(って、誰が双子やねん!?)
「な・・・なんなのこれ!?ドッペルゲンガーか!?」
あり得る可能性を口にして後ずさる。
「あ!待ってくれ!逃げないで!」
後退するうちを見て、そいつが手を伸ばした時やった。
「我が君!!」
甲高い声と、パタパタいう足音が響く。
「ご主君!」
「皇太子様!!」
その後に続く低い声と、金属がこすれ合う音がする。
聞くより早く見れば、うちのそっくりさんの後ろに階段があった。
そこから3つの影が飛び出してきた。
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