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「前日の議会では、ご気分がすぐれぬと言って退場されましたが、それはわたくしたちの前だから許されること。他国の皇族の集まりで、そのようなことをされたは、和国の面目に関わりますぞ。」
「控えんか、司馬高!」
龍月に変わり、爺さんが声を荒げる。
「そのことは問題ない。いらぬ心配じゃ。」
「またですか、宰相?」
「なんじゃと?」
「いつもそうではありませんか!?我らが皇太子様に意見を求めれば、あなたが止める!これでは、誰がこの国の指導者かわかりませんぞ?」
「貴様・・・!」
勝ち誇ったように言う姿にムカつく。
「それだから、他国から病弱な王と言われるのですぞ!!」
確かに、薫は体が弱い。
だからこそ、他国から侵略を受けないように何とかしようと考えていた。
「我が君を前に、無礼ではないか、司馬高殿?」
「皇太子殿下は、どうお考えですか!?」
目を細める龍月を無視して、司馬高というやつがうちを見る。
「皇太子殿下、みな、あなた様のお体を気遣っておるのです!あなた様は、世間を知らな過ぎます!民のことをもうならば、力あるものに頼られるのも1つの方法。恥じることはありません!」
親切ぶって言ってるけど、その言葉は上っ面だけ。
(それを弱い弱い弱いってなぁ~・・・!!)
「弱きことを認められるのも、王者たる者の務めではございませんか!?」
「―――――――じゃかぁしい!!だれがヘタレじゃ、ボケっ!!」
巻き舌で言い放つ。
「ひっ!?」それでうちにグダグダ言っていた司馬高が黙る。
外野もピタリと静かになる。
約束はしてた。
我慢もしてた。
(しゃべったら、あかん言われとったが・・・)
「ごめん、限界や。」
事情を知る4人に向けて先に謝る。
その後で、この場の全員に聞こえる声で叫んだ。
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