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「人が黙って聞いてれば―――――――弱い弱いって連呼しまくってからに!しつこいぞ、おどれら!?」
ダン!と足で床を踏んで立ち上がる。
10段ある階段を使うことなく、真紅の絨毯の上に飛び降りる。
司馬高っちゅー奴の前まで近寄ると、メンチを切りながら言った。
「特におどれじゃ!!司馬高コラッ!!そんなにうちから、権力を没収したいんかい!?ああん!?」
「な・・・!?」
腰に手をあてながら聞けば、司馬高というやつが目を点にする。
他の連中も、ポカーンとしていた。
龍月も伯龍も文圭も・・・文圭くんの「ああ、やっちゃった!」という顔が、ちょっとおもろかった。
「か・・・薫皇太子殿下!もうお疲れでしょう!?」
静まり返った部屋で、真っ先に声を上げたのは善弼じいさん。
「お部屋に帰りましょう!」
うちに飛びつきながら言うが・・・
「そうはいかん!」
却下する。
「ここまで、主君であるうちをコケにしたんや!弱いかどうか、その目で確認してもらおうか!?」
「コ、コラぁー!?」
「か、確認ですと!?」
やめろというじいさんと、うちの言葉に反応して我に返る司馬高のおっさん。
「ど、どう証明されるおつもりで?」
「カンタンや!誰か、瓦持ってきて!」
通じるかどうかわからんが言ってみる。
「瓦?」
「や・・・屋根の瓦のことですか?」
「そう!その瓦や!」
通じた~よかったー♪
ホッとしながら言葉を続ける。
「その屋根の瓦持ってきてー!」
「ど、どうなさる気ですか!?」
「決まってるやん。瓦割するんや!」
「「「「「瓦割!?」」」」」
そう言ったら、また周りが騒がしくなる。
司馬高が、目を見開ぎながら聞いてきた。
「ま、まさか!?武人がする瓦割のことでございますか!?」
「そうや!用意し!」
「やめなされ!お主・・・いや、かおる様!!わしが許しませんぞ!?」
「もう決めたんや!主命やから、早く持ってきてー!!」
「なっ!?コ、コラぁぁぁぁ!?」
「あああ・・・主命の使い方がむちゃくちゃですよぉ~」
真っ赤な顔になるじいさんと、真っ青な顔でつぶやく弟子の文圭くん。
けど、そんなの関係ねぇー!
「・・・・・・そこまでおっしゃるなら・・・・・・」
司馬高の合図で、召使っぽい男達が動く。
程なくして、そいつらが瓦と、瓦を置く石を2つ持ってきてくれた。
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