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春風に吹かれながら私のスカートゆれ、私は一人
で学校に向かう。
一人投登校は、とても静かで落ち着いて登校でき
る・・・。
鳥の囀りが聞こえ、本当に安心する。
ただ、あれがなければ・・・。
高校生活2年目に突入した私は、不安を抱えてい
た。
それは大切な…ううん、私の好きな幼馴染の木ノ葉
隼斗(このはしゅんと)が最近様子がおかしいから
だ・・・。
まぁ、原因はなんとなく分かってるけど・・・。
私はそれについて、もう毎日のように頭を抱え悩ま
せられている。
それは、学年一可愛い先輩に告白されてたことを今
でも気にしているらしい。
私は、そのことを考えると心が締め付けられるよう
な感覚になる。
・・・ん?
どうしてそうなるのか?ってそんなの、私は隼斗の
ことが小さい頃から好きだったからにきまってるじ
ゃん。
隼斗のやつに、「好きなんだから早く付き合っちゃ
えよ!」・・・なんて私からは言えない・・・。
だって、そんなこと言ったらそこで私の恋が終わる
からだ…。
ずっと、片思いし続けきた恋が一気に打ちのめされ
ることを想像した。
「うぅ・・・!恐ろしい・・・。」
「何が恐ろしいって?」
背後から突然隼斗が現れた。
「うわっ!?び…びっくりしたぁ・・・。驚かさな
いでよ!」
「悪い悪い!なんか、咲良(さくら)がブツブツ言
ってたから!」
「え!?声に出してた!?」
「ははっ!何驚いてんだよ!なんも聞こえなかったよ。ただ、悩んでる顔はし
てた かな?」
「もー!脅かさないでよ。」
私は、声にだしていた自分を心の中で、きつく叱っ
た。
幼馴染っていうのも危ないな・・・。
思ってることがすぐバレそうで・・・。
私は話題をすり替えようと、隼斗の方を見て話しか
けようとした。
だが、隼斗の横顔を見たときどこか悲しいような、
不安を抱えている瞳をしていたことに気づいた。
その瞳に、私は胸がまた苦しい位脈打ち始める。
ずっとこの気持ちのまま、時が過ぎていいのだろう
か?
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