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「隼斗・・あのね・・・。」
「俺な、先輩に告白されたけど断ろうと思う!」
「え・・・!?なんで!?」
私は、先に隼斗からその話題を話し始めたことに驚
きとっさに聞き返した。
「だってよ、俺みたいな奴が先輩と付き合うなんて
おかしいだろ?気持ちは嬉しいし、出来れば付き合
いたい・・・けど俺なんかじゃな・・・。」
そう言い隼斗は髪の毛をいじりながら、強気に笑っ
た顔が私の心に強く刻み込まれた。
それは、今までにない、笑顔だった。
なんで、そんなに強気に笑うの?
なんで、そんなこと言うの?
なんで、なんで・・・。
「なん・・で・・・。」
「ん?」
「なんでよ!!!!」
私は、拳をグーにして隼斗を叩く。
だって・・・、これじゃあまるで・・・。
私は、知らぬ間に瞳から涙がこぼれ今まで抑えてい
た感情が一気に込み上がった。
「なんで、隼斗も同じ気持ちになってんのよ!隼斗
がそんなんじゃぁ・・・そんなんじゃあ私は・・!
どうすればいいの・・・!」
怒りと悲しみが入り混じった感情になった。
素直になれず、ただ苦しい茨道に進みに行く隼斗に
対し、見ていられなくなった。
「おいおい・・・!?何に泣いてんだよ・・・?」
私は、隼斗の胸に拳をあて息をゆっくり吸った。
もう、大丈夫・・・。
今の私なら・・・、もう言える。
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