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隼斗は、その言葉に黙りきってしまった。
「今、自分を幸せにできるのは先輩だけ。先輩を幸
せにできるのは隼斗だけ。」
私は、手を握った。
「もう、答えは分かってるんじゃないの?」
私は、握ってる手を強く握り返す。
「やっぱり、お前に話してよかった・・・。」
「私も、伝えられてよかった・・・。」
すると、隼斗はゆっくりを口を開いた。
「ありがとうな。咲良。ごめんな…最後まで俺の為
を思ってくれて・・・。」
「・・・こちらこそ。ありがとう。」
私は、手を離し背中を押した。
そう言い、隼斗は走り去って行った。
「ばか・・・。そういうのは、ごめんだけでいいん
だよ・・・。」
遠く離れていく隼斗の背中が、見えなくなるまで見
届けた。
泣き虫だった貴方が、今は一人では知り続けるよう
になっていた。
貴方の隣には、もう私はいないけど、君がこれから
幸せになれるのならそれは・・・。
とても、幸せなことだろう。
私の恋は終わったけど、誰かの為を思って終わった
恋ならそれはとても素敵なことだと思う。
サヨナラから始まった、貴方の恋にこれから祝福が
訪れますように・・・。
『貴方の幸せな顔が見れることは、私にとって幸せなことだよ。』
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