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イワナガヒメだけ嫁に貰われず追い返されたという話はすぐに彼女達のお父さんの耳にも入った。彼女達のお父さんは大変激怒し、
「サクヤヒメを妻にすれば、木になる花のように栄え、またイワナガヒメを妻にすれば、岩のようにビクともしない永遠の命を得られたでしょうに、残念です」
そうニニギノミコトへ告げた。一方妻になれると思っていたのに追い返されてしまったイワナガヒメは、
「ニニギノミコト様はいつの日か花のように儚く散ってしまうでしょう…」
そう予言した。ところでニニギノミコトは、人間の先祖にあたる神様である。イワナガヒメの深い深い呪いが実を結び、こうして人間は寿命を持つようになってしまったと言われている。
その後、ニニギノミコトはコノハナサクヤヒメと結婚し、子供を授かることが出来た。しかし、ここでも問題が起きた。ニニギノミコトはとても疑り深く、
「お前が産もうとしているお腹の子は本当に俺の子なんだろうな?!」
とコノハナサクヤヒメに問いただした。あまりの疑り深さに、コノハナサクヤヒメは彼を信用させるため、一人で子供を産むことを決意した。
そして時が経ち、ようやく子供が産まれるであろう日、なんとニニギノミコトは産屋に火を放った。
「俺の子供なら決して死なないだろう!」
こんな異常な環境に置かれても、コノハナサクヤヒメは逃げようとはしなかったという。やがて、元気な子供が産まれた。そこで産まれた三人の子供の孫が、後の初代天皇の桓武天皇であるという説がある。以上が昔起きた大事件であった。
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