第二章

1/5
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ

第二章

 イーグルチームはもちろん、タカギ班を含んだ後方支援チームも全員が配置につき、固唾を飲んで円盤群の襲来を待ち受けている。「奴ら、完全に舐め切ってますね。隠れる気もなく、真っすぐこっちに突っ込んでくる。」数学(かずたか)センパイがモニターを見ながら言う。  と、画像がサワノ隊長に切り替わった。「防衛隊、全隊員の皆さん。イーグルのサワノです。今から私が防衛側の、カジタニ副隊長が攻撃側の指揮を採ります。今回の作戦では、二度と地球に手出しをさせないように、何よりも敵を壊滅し尽くす事が肝心です。ウラス星の人々の為に…そして何よりも地球のために、全力で敵を撃破しましょう!」  その瞬間、巨大な基地が歓声で揺らいだのを、俺は確かに感じた。次いで、警戒警報が鳴り響く中、足元から今度はリズミカルな振動が響いてきた。ついに、地球防衛隊極東本部基地が、建設以来初めて、その全容を地上に現そうとしている。それは、明らかに攻め寄せるザンペル星人に対する、地球側の絶対的な抗戦の意思を鮮明にする行為であった。     
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!