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「ひ、ひぃっなんだ!」ニコルは真っ青になりたじろき怯え必死で火を振り払おうと呪文を唱えるも 全く火は消えることなくまるで生きているようだ。
「叔父様、その程度の術も解けずお父様の代わりを勤めるなど笑える。私やお姉さま、黒の騎士団に跪き赦しを請うてください、さすれば叔父様だけでなく家族も変わりなく暮らせますよ」ギズは冷酷に笑い叔父を見つめた。
「た、頼む助けてくれ!あ、熱い!ギ、ギズ!」
ふんと、呆れたようにキズはため息をつき踵を返した。
するとニコルの周りの炎は一瞬で消し去られ、がくりと膝を折りニコルは倒れた。
「もう話は済んだ。我を認め父を捜索する意志があるのもは早々に出立準備を…」
ああ…とおもむろにギズは振り返り美しい黒髪をバサリと切り落とした。
「ギ、ギズ様!何を!」
セツは、一瞬の出来事に動揺しハラハラと落ちる髪を拾い上げながら訴えた
「男女など関係ないとは言ったものの私が女だということだけで軽くみられるのは我慢ならない。今後は私を女と思わなくてよい。髪には術が宿る…神殿にでも飾っておけ」
ギズは冷酷に言い手に持った髪を叔父の方に投げた。
「ギ、ギズ様、万歳!我々は貴方と共に!」
控えていた黒の騎士団は、絶対的な力をみせつけたキズに崇拝した。
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