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……怨霊討伐の裏側で……
「カウエル様、この調子ですと明日にでもランティス城下に着きますね」
「ああ、随分遠回りになったな」
俺がため息をつくと兵士も全くだと項垂れた
「本当にまさかランティス国に続く橋が落とされているとは思いませんでしたね。行きはよいよい帰りは怖いとかなんとかいう言葉通りで……でも奇妙な話です。どうせ落とすなら我が通る前にするべきですよね。まぁ怨霊がそこまで考えはしないか」
……今回の怨霊討伐……結局、怨霊は消し去ることはできたがなにが原因だったかわからないままだ。
誰がランティス領土内に怨霊を放ったか意味がわからない。
「それにしても怨霊もたいしたことなかったですし何も我が青の騎士団が行かなくても良かったですね。村の奴等だけでもいけたのでは?」
「……ああ、何か嫌な予感がする。明日と言わず今日の夕刻にはランティス城下に戻る」
「えっ!いやでも…………わ、わかりました。」
兵士は、慌てて全軍に伝令を出して回った。
……予定より三日も遅くなったな……何もなければよいが……ランティス国の方角を見ても空は美しく問題はなさそうに思えるが胸騒ぎがしてならない……
一人でも先に戻れば良かったか……自軍を見ながら今更考えても仕方ないな……自責しながらも俺は馬を走らせた。
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