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episode 3
高校1年の終わりごろ、池端に誘われて合コンに行ったことがある。
合コンといっても当時は高校生だし、お酒も飲めないので一般的にいうそれとは大いに違ったのだけど。
男性陣は、そのころよくつるんでいた池端、山内、武田、そして僕の4人で、女性陣は他校の1年生が4人来ると聞いていた。
しかし4人のうち1人だけ、同じ高校の2年生が混じっていた。
それが金沢先輩である。
あのころは1つでも歳が違うと、大人に見えたり子どもっぽく思えたりしたものだ。
僕たち1年生にとって、2年生だった先輩はとても大人に感じられた。
合コンはそれなりに盛り上がったが、お酒の味も知らない純粋無垢な高校生だった僕たちは、やましいことは何もなくそのまま帰宅した。
しかし、僕たち4人は何としてでも金沢先輩に近づこうとした。
今思えば意地になっていたと思う。
でもそれくらい魅力的だったのだ。
僕は毎晩うざいくらいのLINEを送った。
僕「こんばんは!」
先輩「眠れないよ~」
僕「眠れないときはYouTubeで雨の音を検索するといいですよ笑」
先輩「春樹くんって、おもしろいよね^^*」
僕「ほんとに!?」
先輩「うん、めちゃくちゃおもしろい。春樹くんとお話してると楽しいなぁ」
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