煩悶

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 連絡は頻繁だった。逆に智のほうから、勉強に没頭するから休みでも戻れないし、連絡が返せない事もある、と、たしなめたぐらいだ。  やんわりと、もうめったに会えない生活が始まったんだと釘をさしたつもりだった。  なのに、なら俺の方が会いにいくから大丈夫だ! と勝谷に笑い飛ばされた。  実際、連休となれば、たびたび勝谷は智のアパートにやってきた。そのあっけらかんとした笑顔をまじまじと見つめながら、勝谷には距離なんて何の問題にもならないのか、と感心したり、それぐらいで終らない自信があるのかと思い直したりした。  混沌としているうちに、もともとスキンシップが激しい勝谷が、肩を抱いたり手を繋いだりしてくるのが苦痛になった。  タケルに聞くと、そんなの普通じゃない?と言うが、帰国子女のタケルの感覚はかなり外国人ぽくて、気軽く友達とハグしてたりするから、一般的とも思えない。智は友人がいないから、それ以上、他に確認のしようもなかった。  どちらにせよ、高校卒業後も、勝谷はうるさいぐらいに智を構った。  むしろ離れているから余計に心配なのだ、と言わんばかりだった。常に守られていると錯覚するほど勝谷は智の身近にいる。     
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