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ここは、ならず者たちが集まる村。
伊賀とか甲賀とか、そういった大層な名もついていない、ただただ、そこに行き着き流れ着いた者たちの村。
とはいえ、忍であることは確かで、金で動く輩が多い。
この村には名前もなく、忍としての仕事が無いときには、畑の仕事をしたり、百姓をしたりと、農民のような暮らしをしている。
この村で、ならず者たちをまとめているのが、村の中央に建っているそこで大酒を飲んでいる3人の男たちだ。
1人は雑賀と言い、1人は段蔵と言い、1人は猪助という。
そしてこの村は、5人の男たちを中心としているのだが、まずは韋駄天の播磨だ。
播磨という男は、一見、穏やかそうで物腰も柔らかそうなのだが、5人の中では最も短気な性格をしている。
いつもニコニコと笑みを浮かべているが、キレると死人が出るほど暴れるらしい。
韋駄天という名のように、俊足には誰よりも自信があり、また、飛力もある。
次に罠師の周防は、若そうに見えるが結構なおっさんで、自らのことを「ワシ」と呼ぶ。
罠に特化した能力を持ち、大酒喰らいで忍たちの指導者でもあるのだが、冷酷で幼い子供にも容赦はしない一面がある。
次に夕霧の加賀は、毒や薬を操る男で、自身の身体は毒耐性を持ち、医療にも通じている。
得意としているのは偵察、諜報で、忍には向かないと思うほど、根が優しいというか、甘いところがある。
それから日食の相模は、顔を半分以上隠している不思議な男で、昔戦に出たときの傷やら火傷やらで酷いことになっているらしい。
怪力の持ち主だが、頭脳も持ち合わせている頼りになる男だが、少しズレているというか、呆けているところがある。
そして最後に、無命の伊勢だ。
この男に関しては、分かっている情報は特に少なく、正直、いつからここにいるのかも分からない。
だが、その実力は圧倒的で、この男だけは敵に回したくないというのが、金で動かしている理由の一つだろう。
「それにしても、まったく風魔は邪魔だな。なんとかならないのか」
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