何も出来ない同居人

6/13

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
「おかえり。早かったね」  何故か半年から長いと二年ほどの外国への転勤が三ヶ月で終わった。  理由はわからないが、あまり気にしないことにした。現地にいた同僚全員が帰ってきたのだから何かあったのだろう。 「ただいま。大丈夫だったか?」  カミサマは頷いた。木嶋は自分の家がどんな魔窟になっているか恐怖七割楽しみ三割で扉を開けた。  中は三ヶ月前から変化は全く見えなかった。 「それより今日は外食しよ?ちょっと遠くに食べに行きたいなー」  カミサマの言葉に木嶋は頷いた。久しぶりに車を走らせたい気持ちもあった。 「じゃあ車出すか。でもクラシックは拒否だからな」  以前ドライブ中に延々とクラシックを流されて寝そうになっって以来、クラシックがトラウマになっていた。 「おっけー。ロックでもパンクでも何でもこーい。ドライブドライブー」  楽しそうなカミサマ。しょうがないから今日は隣の県くらいは行ってやるか。  となりの県のうな重を食べた。非常に気に入ったらしくカミサマは一人前追加で食べやがった。ついてきた鯉の刺身は気に入らなかったらしく、こちらに皿を回してきた。  腹が立ったので追加分のうな重を半分食ってやった。カミサマはそれでも嬉しそうだった。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加