第2章 嘘から始まる恋

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「自分らしく生きる。それは、お前が昔俺にいってくれた言葉だろう?」 アイは、ブランコから降り私の目の前に立って手を掴み、自分のしていたミサンガを私の手 に付けた。 「俺もここにいるよって印。ずっと見てるからさ…。」 その言葉と何の曇りないアイの瞳に、私の瞳から静かに頬を伝って涙がこぼれた。 ゆっくりと、少しずつ自分の思いを吐き出すようにアイにすがりながら泣いた。 ずっと…。 見ていてくれてありがとう…。 どうか今だけは、泣くことを許してね……。
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