僕の扉が開いた

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カラオケを終えて外に出ると日も隠れて薄暗くなっていた。 そんなに遅い時間ではなかったし、 セイも明日は何も予定はないということだったけど今日はお互い帰ることにしていた。 僕は母と祖父の3人で暮らしているのだが、 祖父は寝たきりで、 母も体調を崩してしまっている夕飯の準備と祖父の下の世話をできる人がいないからだ。 「――今日は楽しかったっ」 「僕も良かったよ。 なんか初めて本当の僕で居られた感じがしたし、 セイちゃんとまさかこうして一緒に過ごせるなんて想像の世界でしかなかったから」 「セイはコーちゃんのこと、 もっと好きになっちゃったよっ、 てね」 「ありがと」 「ねえねえっ、 今日最後にひとつお願いがあるんだけど」
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