神在月

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 八百万(やおよろず)の神々などと申します通り、神様にも色々ございます。  学問の神様といえば天神様、子授けなら水天宮、商売繁盛に縁結び、中には貧乏神だの疫病神なんてね、あまりお近づきにはなりたくない神様もございますけれども、不思議にこの手の神様のご開帳は、いつでも千客万来、大繁盛だったと申します。  何故ってね、方々にこんな札が立っているんです。 『御参詣無之(これなき)御方へは、当方より御見舞い申し候』  押しかけて来られちゃかないませんから、行くしか無いというわけなんで。  そんな日本国中の神様達が年に一度、十月という月に出雲大社に集まりまして会議を行います。言ってみれば、サミットですな。  それがために、日本中どこにも神様がいなくなってしまう、ということから十月のことを神無月と申しますが、出雲国に限っては神在月と言うのだそうでございます。
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