神在月

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     *     *     * 「お二人は、もう子どもを授かるにはちょいとばかりお年を召しすぎていましたのでね。いくら私どもでも、無い所から子どもを出すわけにはいきませんから、あちらこちらの神様仲間やお地蔵様なんかにも、随分と手を回しましたよ」 「いや、これはどうもご苦労様でしたな」 「ほんに、近頃に無い良い話を聞かしてもらいました」  他の神様連に、やんややんやと讃えられて、女神様もぽうっと頬を染めたりして。  そんな話で盛り上がっておりますのを、横から聞いていた別の神様が、 「ふんふん、なるほど。人に喜ばれて、なおかつこんなに株が上がるのならば、いっちょわたしも試してみようかね」  神様の中にも、横着なのがおりますようで。
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