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「命を削ってまでわしをもてなそうとしたくらいだから、
わしの手で人生を終えることは本望であろうっ」
月読は完全に酒に飲まれていた。
力も強く大きな身体の月読を押さえられる者は誰も居なかった。
実は、
これ程に月読が怒るのにも理由があった。
太陽の使いとして崇められる天照に対し、
月の使いと崇められている月読はあまり地位が高くなかった。
元々真っ直ぐな性格をしていながらも根が優しい月読は、
天照を立てながらもお互いに優劣無い関係だけは保とうとしてきた。
そんな中での天照からの遠征の命である。
それも、
このような寒さの厳しい時期にだ。
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