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「保食様、
月読様がいらっしゃったならおもてなしをしなければならないでしょう?」
妻の宜都だ。
「そうだな、
だが、
出来れば新鮮なものをお出ししたい。
宜都、
準備してもらってよいか?」
「はい、
もちろんです。
月読様なら目一杯のおもてなしをさせてもらいます」
「私は先に月読様のお相手をしているから、
よろしく頼むぞ」
保食は毛皮と枯草を纏うと、
月読が待つ家に向かった。
「月読様、
遠路はるばるこのようなところまでご足労でございました。
まずは酒で冷えた身体を温めてくだされ」
保食が酒を小さな器に注ごうとすると、
月読はそれを制して大きな器を準備するよう言ってきた。
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