最後の晩餐

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「ここは山に囲まれた地域。 山の物が()れるのはわかるが、 海の物は如何(いかが)したのだ?いつ獲ってきたものかわからぬが、 こんなに新鮮に保つ技術があるとは。 良ければ是非ご教授願いたい」 「実は、 私の妻がクチウミ(・・・・・)でして」 「クチウミ?」 保食(うけもち)の妻、 宜都(げつ)はクチウミだった。 祖先は氷河時代に(さかのぼ)るのだが、 食糧難を経験した人類は生き延びるのに必死だった。 人類の多くは器用な手足と知恵を活かして様々な技術を生み出し生き延びたのだが、 一部の人間は食べ物を体内で生み出す力を身に付けた。 それがクチウミだ。
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