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ゴミの分別
「フタバさんですか?」
そう聞かれて僕は自分もそうだと認識するのにやや時間がかかった。
そう、僕の名前は双葉仁、双葉は僕の苗字なんだから、僕もフタバなんだ。
小学生の時に引きこもって13年。
あんまり苗字で呼ばれないもんだから忘れていた。
「はい、そうですが」
引きこもりの割には、ちゃんと返事ができたと思う。
それは自分を褒めてやりたい。
しかし、さらに電話から聞こえて来た言葉は僕の対応能力を簡単に超えていた。
「双葉凛子様が倒れて病院に運ばれました」
フタバリンコサマがタオレテビョウインにハコバレマシタ。
言葉が脳に沁み、さらに理解するのに数秒かかった。
凛子は僕のかあさんの名前で、それが、倒れたと言うことはええっ!!
ええええええ!!。
と、僕は大変その電話に衝撃を受けたのだが、かあさんが倒れる理由に関しては、ありすぎるほど心あたりがあった。
かあさんは、会社の社長である。
そして一ヶ月ほど前、かあさんの会社の事務員だった倉木マキさんと専務のシュンスケおじさんが駆け落ちした。
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