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リビングに向かうともう皆食事を始めていた。
「あ、
お父さん、
すぐ準備するね」
浩二は妻愛美からも「お父さん」と呼ばれていた。
これは子供の躾の方針云々では無く、
「お父さん」「お母さん」と呼び合う感じがなんとなく好きで、
孫ができたときには「お祖父さん」「お祖母さん」と呼び合うようになって、
「ああ、
僕たちももうそんな歳になったんだね」と語り合うのが理想だからだった。
・・ただ、
この時はそんなことは微塵も考えていなかった。
もうお金どうしよう、
しか考えていなかった。
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