第一章 会社にて

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「一年生、全員携帯を出して預けて。目的地についたら返すけど途中で現在地検索するの防止だから」 一体そのことに意味があるのだろうか。ミステリーツアー形式は携帯のなかったころからの伝統なのでしょうがないと後で説明された。 クジによって決められた席にすわり出発を待つ。一体どこにむかっているのか何時間のるのかまったくわからない。隣に座った『花組』の2年の木田さんに 「いつごろ教えてもらえるんですが?」 と尋ねたが、 「ごめんね、目的地つくまでは教えちゃいけないってことになってるんだ。でも国内なのは確かだから大丈夫。」 「だいじょばないです。この心理的プレッシャーにメリットあるのですか?」 「それも内緒なんだよ。でも合宿以外の話だったらなんでも話せるから。あとは付いてからのお楽しみってことで。」 「そういわれて気にしない人なんていないと思うんですが・・・」 そんな一年生の会話もよそにバスは出発していった。首都高にのって6号線方面なのでどうやら東北にむかってるらしい。最初は緊張していたが朝早い出発だったのと中々寝付けなくて睡眠時間が少なかったこともあり栃木県に入ったあたりから睡魔が襲ってきていつの間にか寝てしまった。途中のサービスエリアでも起きることなくバスは走り、昼食の時無理やり起こされたが眠すぎてあまり覚えていない。それでもちゃんと食事は取ったようだ。 「ついたよ。」
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