0人が本棚に入れています
本棚に追加
私、
雨宮悠亜はごくごく平凡な人間だが、
「ある意味」では特殊な人間だ。
実の両親からはネグレクトを受け、もうすぐ、施設行き、という所で伯父・伯母が私を引き取ってくれ、私は伯父・伯母の家に預けられていた。
両親の兄弟とは到底、思えない、
伯父さんと伯母さんは私にとても良くしてくれた。
ある時、近所の神社にて、とても人間とは思えない、人間離れした綺麗ないでたちの少年たちに出会う。
そこから私のフシギな物語が始まる。
神社には二人の少年が居た。
一人は少しツンとした年相応の男の子。もう一人はおっとりとしていて女の子と見間違う程可愛い容姿をした男の子。
どうやら二人は双子のようで、見た感じ、私と歳も近いようだった。
ツンとした方の男の子が話しかけてくる。
「ここら辺りじゃ見ない顔だけどお前誰?」
「…私?私、悠亜って言うの。最近引っ越してきたんだよ」
「ふ~ん……」
話しかけられたので、返事をすると、その男の子は不機嫌そう?に返事をした。
…すると、もう一人の男の子がコソっと口を開いて耳打ちをしているみたいだった。
「ダメだよ、(ゆう)。ぼくらは人間に姿を見せてはいけないんだから」
「…あっ、そうだった…。普段誰も人なんか来ないから油断してた…」
どういうこと?
人間に姿を見せてはいけない?え?普通に見えてるけど…。人間じゃないってこと??
私が狼狽えながら考えを諮詢していると、やはり、ツンとした方の少年、(ゆう)と呼ばれていた少年が話しかけてきた。
「兄さんが言った通り、おれ達は人間じゃない。普通は人間には姿なんか見えない筈なのに…、どうしてお前におれ達が見えたのかは知らないけど、もう此処には来ないことだな」
「待って…っ!そんな一方的に話を終わらせないで。私、引っ越してきてまだ友達がいないの…。近所には同世代の子なんて全然見かけないし…。…だから、私と友達になってください!!」
「…はぁっ!?何、言ってんだお前。話聞いてたか?おれ達は人間じゃないんだぞ?怖くないのか?」
「…怖くないよ。あなたたちからは優しい雰囲気がするもの」
「ばっかじゃねーの!?勝手にしろ。兄さん、コイツ、話通じないみたいだからムダだよ」
「……仕方ないか…」
大人しい方の少年もしぶしぶ納得してくれたようだった。
これが私、悠亜と不思議な世界への邂逅になる。
最初のコメントを投稿しよう!