きみのことはみんな 知ってる

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きみのことはみんな 知ってる

私の沈黙を無視して彼(ゆう)は、話を続ける。 「君のことは皆、知っているよ」 <皆>というのが誰を指すのか、私には分からなかった。 「君が出会った人の形をした人外は僕と兄さんを含めて二人。あとは幼い頃から見てきたお化けみたいな妖怪みたいなモノを含めると数知れず、となるけれど…。それと…、君、」 少し言い淀んだ後に話を続けた。 「幼い頃、っと言っても、僕らと出会ったのとほぼ変わらない時期だ。その頃に、君の家に見たことの無い金色の鳥が何回か来なかった?…僕の予想だと、多分君に相当懐いていたと思うんだけど…」 …金色の鳥?そんな目立つものがよく来ていたのならば覚えている筈…。 ふと……。 「っ、あっ!いたかもっ!鷹や隼みたいな姿なんだけど、尻尾は孔雀みたいで、色は本当に鮮やかな金色…。それでやけに私に懐いてた!」 「そいつもね、実は人ならざるモノなんだ。夢の彼女の転生者がどんな人間か興味本位で見に来たら、君のことをいたく気に入ったようで…」 話しながら苦笑いをする彼(ゆう)。その鳥の本性はおかしな物の怪なのだろうか? …少しの間を置き、空を仰ぎ見ながら、また、ゆっくりと語りだす彼。 「…それとね、君にはまだ姿を見せていないけれど、君のことを見守ってきたモノは沢山いるよ。きっとその内会いに来るんじゃないかな?」 私が困惑していると… 「…大丈夫。彼らはみんな優しいよ。君に危害を加えようなんてモノは唯の一人もいない。…みんな、君がこの世に生を受けた時から見守ってきた、所謂祖父母みたいなものだよ。年齢的に、ね(笑)今までは色々と誓約があったりして、君を害するモノから守れなかったけれど…これからは心配しないでいいからね」 「…どうして、見知らぬ私にそんなに善くしてくれるの……?」 私は遂に問いかけた。 「……これは、<彼女>から託された願いだから……」 「託された願い……??」
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