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ヘアサロン
ここはとある山奥にある全寮制学園。
自分はそこで、美容師として働いている。
学校で美容師と言うと驚かれるが、中々外出許可の下りない、お金持ちのご子息向けの学園と言うことで、小さなヘアサロンが学園内で営業されている。
狭いながらも、街中にあるヘアサロンと同じ設備を有しているここは寮の1階にある。
そこを任されているのがこの俺、葛城なんだけど。
といっても、超お金持ちのお坊ちゃんの中にはお抱えのヘアスタイリストが居る子も少なくないので、そいう子のために場所を貸したりと言うことも業務の一環なんだ。
まあ、学生さんの半数位の髪の毛を俺がカットしている感じかな?
授業時間は休業にしているので、自由な時間も多い、営業活動のはがきに手書きでメッセージとかいう面倒くさい作業をする必要もない。そんな天国のような職場だ。
「いらっしゃいませー。」
どうやら今日のお客さんが来たようだ。
「17時に予約をした、菅谷です。」
「はい、承っております。こちらへどうぞ。」
カット用の椅子に座ってもらい、ご希望を聞く。
「あ、あの僕、これから、好きな人に告白しようと思っていて……。それで、葛城さんの噂をきいて、その、それで……。」
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