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これは私の為でもある。ステータスも偽造しているし、アリーナの姿も見えないが、絶対は無いのだ。一度怪しまれてしまったらそれがずっと続くことになる。巻き込まれる可能性も高くなる。リスクは極限までなるべく減らしたいというのが私の考えだ。
ということでどうでしょうかアリーナさん。
「つまんない!!」
一言で斬られたかぁ…けどアリーナ。安全は大事よ?
「だいじ?ならしゃあなし!!」
「ボソボソ言ってどうしたんだい?」
「ああ、ゴメンこっちの話。で、どうかな?」
「恩人の頼みだ。ベアウルフまで貰ってしまったら、断れないよ。ちょっと悲しいけどね。家で家族とおもてなしもしたかったし」
おもてなし…人間世界の料理……
「追加要望」
「ん?」
「別れて街に入るけど、街の中で会っちゃいけないとは言ってない。だから、ご飯を御馳走してくれたらとっても嬉しく思う……どう?」
その言葉に、パッドは喜色円満な顔を浮かべた。交渉は成立らしい。今度は私から手を差し伸べると、力強く握手を交わしてくれた。
「そうだ、聞きたいことがもう一つあったんだ」
「なんだい?」
「これから行く街に人間以外の人種って居る?」
「あ、ああ。勿論居るよ。けど、ほとんどは奴隷として扱われているけどね」
「………ホワイ?」
まさかまさか、そういう感じの世界なの?奴隷制度存在する感じなの?うわぁ……そういう感じの文化なのかぁ……
「あの、何でそんなに落ち込んでるんだい?」
「いや……ちょっとカルチャーショックを感じてるだけだから気にしないで。まぁいいや、後は自分で確認するよ。じゃ」
そう言い残して、私は荷馬車から飛び降りた。
「しかし奴隷かぁ……そういう小説もあったけど。うーん……」
「どしたの?」
「んーいや、なんでもないよ。街、楽しみだね」
「うん!」
今はアリーナで癒されよう……
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