第1章 出会

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倉崎空(くらさきそら)至って平凡な女子高生 とびきり美人でもなく 可愛くもない 目立つ存在でもないのだ 頭だって普通で何も取り得がない… 家族は両親に2つ下の弟 (りく)がいる 陸は私と違い 頭も良く顔はイケメン 自慢の弟であった きっと父に似たのだろう それでも陸は私を慕う けして人を見下さない きっと両親の躾かなと思った 父はサラリーマンで40中半に差し掛かっている 面白くて優しい 私は父の笑顔が大好きで 小さい頃は母親より父だった 母はパート主婦 私たちが大きくなったのを切っ掛けに仕事を始めた 厳しい反面 何処かおっちょこちょい 私はきっと母似なんだろう そんな私も高校生になった 高校は地元の高校 仲良かった中学の友達数人が受験 全員合格となった 弟は才能を発揮し 中高一環の私立に通っている 高校生活も夏休目前を控え 中学時代仲良かった夏実と高校へ入り仲良くなった咲里で 夏休計画を立てていた (ね~高校最初の夏休どうする?) 私たちは同じテニス部だけど部員数が多く 一年生は殆ど自主練習や周りの世話だった (私たち抜けても問題ないよね?休み中盤辺に何処か行かない?) 咲里の提案で花火大会とライブと決まった (ね!7月の末 土曜日家に泊まり来ない?両親は父の実家に行くので不在なの おいでよ ) 夏実がそう言った 私たちは喜んでOKを出した その時 教室の後のドアが開いた (あなたたち何やってるの?) 2年の紗菜先輩だった (あ!…すみません 夏実が具合い悪く今から部活を休む事を…) 咄嗟に言い訳する咲里に便乗して私も (すみません そうなんです…) 夏実は机に伏せていた (まぁ じゃ仕方ないわね でっ!夏休はどうするの?もう3年生は来ないからね あなたたち1年生がしっかりしないと) (ハイ すみません) そう言い残し紗菜先輩は立ち去った まるで私たちの会話を聞いてたかのように (帰ろうか) (うん) 口数少なく私たちは帰宅した
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